
相続税 × 高齢の親の住まい
親が老人ホームに入居した後、自宅の土地は80%減額できる?
施設に移ったからといって、自宅敷地の小規模宅地等の特例が直ちに消えるわけではありません。要介護・要支援の認定、施設の種類、入居後の自宅の使い方、土地を取得する人を分けて確認します。
まずは時系列を並べる
01施設に入る前本人が自宅を生活の拠点としていたか
02施設で暮らす認定等と対象施設を確認
03相続が起きる自宅の使用状況・取得者を判定
条件を整理する比較表
| 確認すること | 間違えやすい考え方 | 実際の確認点 |
|---|---|---|
| 認定 | 入居時に未認定なら必ず不可 | 相続開始直前の認定・対象要件と日付 |
| 施設 | 「老人ホーム」の名称なら全部同じ | 有料老人ホーム等の法定区分・契約 |
| 空き家 | 家財を残せば必ず適用 | 入居後に賃貸・第三者居住等がないか |
| 相続人 | 土地の条件だけで確定 | 取得者ごとの居住・保有などの要件 |
入居後に認定を受けた場合
入居前に認定がなくても、相続開始の直前に要介護・要支援等の所定の要件を満たしていたかを確認します。認定日と効力がいつから生じるか、施設への入居日、死亡日を並べて検討します。「申請中」だけで結論を出すことはできません。
自宅をそのまま残しただけでは足りない
施設入居前の本人の自宅であっても、入居後に貸し付けたり、本人等以外の人が新たに居住したりすれば、居住用として扱う特例の例外から外れることがあります。家財の有無だけで可否は決まりません。
誰が土地を取得するかも別の関門
配偶者、同居親族、別居親族では要件が異なります。たとえば別居親族向けの規定は、配偶者の有無や過去の住居所有関係など複数の条件があります。「親が施設に入ったから、子なら誰でも使える」わけではありません。
評価額の比較図
評価額4,000万円の宅地(全てが330㎡以内の対象部分)の例
※ 減額 3,200万円。相続税額が3,200万円減る意味ではありません。 図は制度の仕組みを示す仮定で、税額・社会的な件数の統計ではありません。
相談前に揃えたい資料
- 介護保険の認定資料・認定に関する通知
- 施設の入居契約書と施設区分が分かる資料
- 入居前後の居住実態・自宅の利用状況
- 宅地の所有関係・取得予定者・相続開始日
相続発生前に確認を
施設への入居、空き家の賃貸、二世帯住宅の登記・遺産分割を進める前に、資料を基に判定することが大切です。個別の事前相談は有料で承ります。
施設への入居、空き家の賃貸、二世帯住宅の登記・遺産分割を進める前に、資料を基に判定することが大切です。個別の事前相談は有料で承ります。
「このまま貸してよいか」「親の入居後に誰が住むべきか」など、土地・建物とご家族の状況を照らして検討します。相続発生前の相談は有料相談として承ります。
事務所の相談窓口を見る →根拠:国税庁 No.4124 小規模宅地等の特例(令和8年4月1日現在法令等)。本記事の事例・図表・文章は独自に作成しました。結論は建物登記、施設区分、認定日、使用実態、取得者などによって変わります。