70代を過ぎたら、
相続対策は「節税」より「整理」です。
——現場で見てきた、家族を救う本当の準備。
OISC飯塚税務会計事務所(東京都練馬区)|資産税専門の税理士・公認会計士
相続相談をしていると、70代以降のご家庭では「節税よりも“整理”ができていないことが原因で家族が困る」というケースが非常に多く見られます。ここでは、実際の相談に基づく「よくある事例」を交えながら、なぜ70代からは“節税”より“整理”を優先すべきかをお伝えします。
この記事の結論
70代以降の相続対策は、「節税で数百万円得をする」ことより「整理されていないことで家族が数百万〜数千万円損をしない」ことのほうが重要です。特に借入を伴うアパート建築の“節税”は、体調を崩したときに家族に重い負担を残しがち。財産の一覧化・現金化・遺言化——この3つが、70代からの本当の相続対策です。
実例①:節税を優先した結果、家族が困ったケース
▼ 何をしたか
銀行から勧められた「相続税対策のアパート建築」を実行。借入は8,000万円で、確かに相続税の節税効果はありました。
▼ 数年後、何が起きたか
体調を崩し、Aさん自身での管理ができなくなりました。子どもは会社員で忙しく、次のような負担が一気にのしかかります。
- 修繕対応
- 空室対策
- 家賃滞納者への対応
最終的にアパートを売却しましたが、借入残高 > 売却価格となり、子どもが差額を負担する結果になりました。
実例②:整理を優先したことで、家族が助かったケース
▼ 生前に整えたこと
- 不動産の一覧表を作成
- 預金の一覧表を作成
- 契約している保険を整理
- 公正証書遺言を作成
さらに、老朽化したアパートは生前に売却し、現金化しました。
▼ その結果
- 相続手続きは1か月で完了
- 兄弟間のトラブルゼロ
- 認知症になっても家族信託で資金管理がスムーズ
なぜ70代からは「整理」が優先なのか?
POINT 残された時間と、判断能力が最大の資源
70代以降は、「対策を打てる時間」と「自分で判断できる期間」が有限になっていきます。節税策の多くは「打った後、10年以上元気に管理できること」が前提。体調悪化や認知症の可能性を考えれば、「動かせる資産を、動かせるうちに整えておく」ほうが確実に家族を救います。
70代からやるべき「整理」——5つのステップ
不動産・預金・保険・株式をすべて表に
管理が重い不動産は生前に売却
公正証書遺言で意思を明確に
認知症に備え資産管理を託す
保管場所と依頼先を家族に伝える
こんな方は、いますぐ「整理」の相談を
- 相続税対策で借入をしてアパートやマンションを建てた
- 不動産を複数所有しているが、子どもが管理できる自信がない
- 財産の全体像を家族に伝えたことがない
- 遺言書を作っていない/古いままになっている
- 「まだ元気だから、もう少ししてから」と考えている
まとめ:家族を救うのは、節税額ではなく「整理された状態」
相続の現場で本当に困っている家族の多くは、「相続税が高かった」からではなく、「何がどこにあるか分からない」「話し合う材料がない」ことに苦しんでいます。70代からの相続対策は、財産を減らす節税ではなく、家族が動きやすくする整理——ここに軸足を置いてください。
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※本記事は実際のご相談事例を再構成した一般的な情報提供です。事例は本人特定を避けるため、地域・年齢・金額等を一部変更しております。相続対策・不動産の売却・遺言・家族信託等の適否は、個々の家族構成・資産状況・健康状態・地域事情により異なります。具体的なご判断にあたっては、必ず税理士・弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。本記事の利用により生じたいかなる損害についても、当事務所は責任を負いかねます。