
- 1、現金を金に替えても、原則として節税にはならない
- 2、それでは、なぜ「金は相続税対策」と言われたのか
- 3、かえって、現金より不利になることもある
- 4、では金の所有に全く意味がないのか
- 5、その他検討余地があるケース
- 6、「金節税営業」にご注意を!
- まとめ
「現金を金に替えておけば相続税対策になるらしい」
地主様や資産家様の間で、昔からよく聞く話です。
結論から言うと、単純に金地金へ替えただけで相続税が下がるわけではありません。
むしろ誤解していると危険です。
1、現金を金に替えても、原則として節税にはならない
理由は簡単です。
相続税は時価課税だからです。
1億円の現金を1億円分の金地金に替えても、
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現金1億円
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金地金1億円
どちらも相続財産1億円。
税額は基本変わりません。
2、それでは、なぜ「金は相続税対策」と言われたのか
背景には二つあります。
(1)昔は評価差が出る場合があった
過去には、購入時と相続評価で差が生じるケースもありました。
ただ、現在これを一般論化するのは危険です。
(2)インフレ・通貨リスク対策と節税が混同された
これが誤解を招いた大きな理由です。
金は
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円安対策
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インフレ対策
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有事ヘッジ
として意味がある。
しかしそれは「資産防衛」であって、必ずしも「相続税節税」ではありません。
混同されやすいところです。
3、かえって、現金より不利になることもある
不動産なら
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貸家建付地
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小規模宅地
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賃貸アパート評価
など圧縮余地があります。
金には評価減の余地がほぼないため、額面どおり評価されやすいことになります。
また、1kgインゴットが1本1,700万円なら、「3人で平等に分ける」が難しい。
つまり、分割しづらいため、争族リスクになる可能性もあります。
さらに、相続後に換金すると売却時に税金が出ることもあり得ます。
これは、現金にはない論点です。
4、では金の所有に全く意味がないのか
そうではありません。
相続税対策ではなく、納税資金対策としては意味がある場合がある。
これは別論点です。
例えば、不動産のみ所有の地主様の場合、
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相続税は高い
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でも現金がない
ということがあります。
その場合、一部金保有は換金性が高く、納税原資として機能します。
つまり、金の所有は、節税ではなく、納税資金繰り対策として有効です。
5、その他検討余地があるケース
(1)相続財産の分散
現預金一辺倒より、資産分散として一定の意味があります。
(2)生前の資産承継設計と組み合わせる場合
遺言・信託・贈与設計と組み合わせると有効な場合があります。
6、「金節税営業」にご注意を!
最近、「金購入で相続税圧縮」のような営業トークを見ることがあります。
こうしたセールストークにはご注意ください。
“商品販売の話”と“税務”を分けて考えるていただきたいと思います。
節税商品は、節税でなく商品販売であることが少なくありません。
まとめ
現金を金地金に替えただけでは、通常、相続税は下がりません。
これはまず押さえるべき基本です。
金は、
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節税商品ではなく
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資産防衛商品であり
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場合によって納税資金対策になる
という理解のほうが実務に近いです。