
公園整備予定地や都市計画公園区域にかかる土地を売却する場合、税法上いくつかの“特典(優遇措置)”があります。
ただし、適用できるかどうかは「誰に売るか」「どのような区域か」で大きく変わります。
地主向けに、実務で本当に使えるものだけを整理します。
売却時に使える主な税法上の特典
① 公共事業のための収用・買取の場合→ 5,000万円の特別控除(収用特例)
都市計画公園の整備に伴い、
- 行政(区・都)が買収する
- 公共事業として土地を譲渡する
場合には、譲渡所得から最大5,000万円を控除できます。
▼ポイント
- 任意売却でも「収用と同等」と認められれば適用可能
- 公園整備は“公共事業”に該当するため対象になりやすい
- 代替地取得でさらに課税繰延べも可能(買換え特例)
行政が買う可能性がある土地なら、最も強力な節税策です。
② 都市計画公園区域にかかる土地の売却→ 固定資産税の軽減・評価減の影響で、結果的に税負担が軽くなるケース
これは直接の“売却特典”ではありませんが、都市計画公園区域にかかる土地は、
- 利用制限
- 将来の買収見込み
があるため、相続税評価が下がる傾向があります。
その結果、
- 相続後に売却する場合 → 取得費が相対的に高くなる
- 生前に売却する場合 → 評価減を踏まえた戦略が立てやすい
というメリットがあります。
③ 長期保有の土地なら→ 長期譲渡所得の軽減税率(20.315%)
5年以上保有していれば、通常の不動産売却と同様に
長期譲渡所得の税率が適用されます。
これは一般的な制度ですが、公園整備区域の土地は「長年保有している地主」が多いため、実務上はほぼ確実に使える優遇です。
【特に重要】公園整備=行政による買取の可能性が高い
稲荷山公園のような都市計画公園は、整備が進むにつれて行政が買収を進めるケースが多く、収用特例(5,000万円控除)が使える可能性が高い、というのが最大のポイントです。
この特例は、
- 通常の売却
- 相続後の売却
どちらでも使えるため、地主にとって非常に有利です。
税理士としての結論
売却を検討している地主様にとって、「誰に売るか」が節税の分岐点になります。
- 行政に売る→ 5,000万円控除+買換え特例で圧倒的に有利
- 民間に売る→ 一般的な譲渡所得課税(ただし長期保有なら税率は低い)
- 相続後に売る→ 評価減が効いて取得費が相対的に高くなるため有利になることも
地主様がすべきこと
1、所有している土地が都市計画公園区域にかかっているか確認
2、行政買取の可能性があるか調査
3、収用特例が使えるか税理士に判定してもらう
特に、「収用特例が使えるのに使っていない」というケースは実務で非常に多く、地主様にとっては数千万円単位の損失になり得ます。