
練馬区が進めている「稲荷山公園(整備イメージ)」の公開により、周辺の土地をお持ちの地主様から、
「うちの土地に影響はあるのか」
「相続対策として何を考えておくべきか」
というご相談が増えています。
公園整備は地域にとって大きなメリットがある一方、地主様にとっては“資産の性質が変わる可能性がある”重大事です。
今回は、税理士の立場から、地主様が押さえておくべきポイントを3つに整理してお伝えします。
① 公園整備は「地価の変動」を引き起こす
公園整備は、一般的に以下のような影響をもたらします。
- 周辺環境の改善 → 地価上昇要因
緑地の拡大、景観の向上、散策路の整備などは、居住環境としての魅力を高めます。 - 利用規制の強化 → 地価下落要因
一方で、都市計画公園区域にかかると、建築制限や買収の可能性が生じ、利用の自由度が下がります。
つまり、
「公園ができる=必ず地価が上がる」ではない
という点が重要です。
特に稲荷山公園は、練馬区が長期的に「武蔵野の面影」を再生するプロジェクトの一環として位置づけており、
自然環境保全の色が濃い計画です。
自然保全型の公園整備は、土地利用の自由度が下がる傾向があるため、相続税評価に影響しやすい
という特徴があります。
② 都市計画公園にかかると「相続税評価額」が変わる
都市計画公園区域に指定されると、相続税評価額は以下のように変化します。
- 都市計画道路・公園予定地 → 評価減の対象
- ただし、区域の確定状況や買収見込みにより評価方法が異なる
特に注意すべきは、
「区域にかかっているのに、評価減が適用されていないケースが実務上よくある」
という点です。
理由は簡単で、
税理士が都市計画図を確認していない
または
地主様自身が区域にかかっていることを知らない
からです。
稲荷山公園周辺は、昭和期からの都市計画決定が複数回変更されており、
「昔はかかっていなかったが、今は一部がかかっている」
という土地が珍しくありません。
相続税評価を適正化するためには、最新の都市計画図の確認が必須です。
③ 公園整備は「将来の相続・売却戦略」に直結する
公園整備が進むと、地主の選択肢は大きく変わります。
-
選択肢1:保有し続ける
- 公園隣接地としての価値向上
- 長期的な賃貸需要の安定
- 景観価値の上昇
-
選択肢2:早期売却
- 区画整理や買収の前に売却することで価格が安定
- 公園整備前の自由度が高い時期に売却できる
-
選択肢3:相続対策として組み替える
- 生前贈与
- 不動産の組み換え
- 小規模宅地等の特例の適用可否の検討
- 貸家建付地評価の活用
特に、
「公園整備が進む前の数年間」は、地主様にとって最も戦略的な時期
です。
税理士の私見
稲荷山公園の整備は、地域にとって大きな価値を生む一方、地主様にとっては、資産の評価・利用・相続”のすべてに影響する重大事 です。
そして、こうした行政プロジェクトは、動き出してからでは対策が間に合わない というのが実務の現実です。
地主様へのアドバイス
- 最新の都市計画図で自分の土地が区域にかかっているか確認する
- 相続税評価が適正か、専門家にチェックしてもらう
- 公園整備の進捗に合わせて、相続・売却・保有の戦略を見直す
特に、
「区域にかかっているのに評価減が適用されていない」
というケースは、実務上かなり多く、地主様にとっては“見落としによる損失”になりかねません。
弊事務所では、
「お客様の土地が都市計画公園にかかっているか」
「相続税評価が適正か」
を個別にチェックすることも可能です。