
マイクロ法人を設立し、いざ「もう閉めよう」となった時に直面する、意外な落とし穴についてまとめました。
自分で何でもこなせるのがマイクロ法人の魅力ですが、「出口戦略」を甘く見ると、最後に手痛い出費を強いられることになります。
1、「とりあえず会計ソフト」の罠
最近の会計ソフトは非常に優秀です。銀行口座やクレジットカードを連携すれば、仕訳の大部分を自動化してくれますし、ボタン一つで決算書(貸借対照表や損益計算書)のような「形」は整います。
しかし、ここに大きな罠があります。「ソフトが作った数字」と「実態」がズレていても、知識がないと気づけないのです。
消えないはずの売掛金がずっと残っている
役員借入金が膨れ上がり、どこから手を付けていいか分からない
本来経費にできないものが混ざり、税務上のリスクを抱えている
意味を理解せずにソフトを回し続けた結果、中身がボロボロの決算書が積み上がっていくケースが後を絶ちません。
2、会社を清算するのには、設立以上のエネルギーが必要
会社を作るのは簡単ですが、「畳む(清算する)」のはその数倍大変です。
法人の清算には、解散確定申告や清算確定申告など、非常に複雑な手続きが伴います。この時、過去の決算書がボロボロだとどうなるでしょうか?
清算コストの跳ね上がり: 税理士にゼロから数字を整理し直してもらう必要があり、通常の清算費用に加えて「過去の修正費用」として多額の報酬が発生します。
余分な税金: 処理を間違えていたせいで、払わなくていいはずの税金が発生するリスクもあります。
結局、節約したはずの顧問料以上の金額を、最後に一気に吐き出すことになりかねません。
3、「ボロボロの書類」はプロに断られる
これが最も切実な問題です。
いざ清算手続きを税理士に依頼しようとしても、あまりに申告書や帳簿が整っていないと、依頼自体を断られることがあります。
税理士からすれば、過去のデタラメな数字を遡って修正するのは非常にリスクが高く、責任を負いきれないからです。
> 「自分でやってきたので、最後だけお願いします」
その「最後」が、プロでも匙を投げる状態になっているマイクロ法人は少なくありません。
4、結論:最初から、あるいは今からでも税理士を
マイクロ法人を運営するなら、「会社清算までのトータルコスト」で考えてみてください。
・月々の顧問料を払って、常に綺麗な決算書を維持する
・自力でやってボロボロになり、最後に高額な清算費用(または拒否)に泣く
最終的にどちらが安上がりで、精神衛生上良いかは明白です。会社は「出口」が一番重要です。取り返しのつかない状態になる前に、信頼できる税理士のアドバイスを受けることを強くお勧めします。
もし現在の帳簿に不安があるなら、まずは単発の「決算診断」を依頼してみるのはいかがでしょうか?